管理
2011年    5月   
 2011年5月31日(火)   05時30分 汚染水増加への対応検討
1号機では原子炉建屋の地下の水から1cc当たり200万ベクレルを超える放射性セシウムが検出されるなど、高濃度の汚染水がたまっていることが、新たに分かった。一方29日から降り続いた雨の影響で、2号機と3号機のタービン建屋の地下で1時間当たり3ミリから4ミリと汚染水の水位の上昇するペースが上がっている。事故の収束に向けた工程表では、この汚染水を処理して再び原子炉の中に入れるという循環型の冷却システムを計画しているが、システムが出来るのは7月になる見込み。梅雨の大雨などで汚染水が周囲に漏れ出さないよう、対応を検討している。
▲top
 2011年5月31日(火)   05時30分 海水汚染抑制 浄化装置設置へ
2、3号機の取水口付近で高濃度の汚染水が海に流れ出しているのが相次いで見つかり、東京電力は、海に広がるのを抑えるため「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状のフェンスを取水口付近に設置している。しかしシルトフェンスの内側だけでなく、外側でも依然として国の基準を上回る放射性物質が検出されている。このため、放射性物質のうち放射性セシウムに効果がある浄化装置が導入されることになり、31日、放射性物質の濃度が高い原発の取水口付近に設置する作業が始まる。この装置は「ゼオライト」という鉱物をフィルターに使っていて、放射性セシウムを吸着して減らす効果があるとのこと。
▲top
 2011年5月30日(月)   14時50分 運転員2人 被ばく限度超えか
福島第一原発の事故で2人の運転員の体内から高い値の放射性物質が検出され、全身の被ばく量が緊急時の限度の250ミリシーベルトを超える疑いのあることが分かった。東京電力によりますと、全身の被ばく量が緊急時の限度の250ミリシーベルトを超える疑いがあるのは、福島第一原発の3号機と4号機の中央制御室で働いていた30代と40代の2人の運転員。2人の健康状態に今のところ異常はないということだが、今後、専門の医療機関で詳しい健康診断を受けるという。
▲top
 2011年5月30日(月)   06時00分 2号機 濃度高く水蒸気も充満
2号機では、原子炉建屋の放射性物質の濃度が、1号機よりやや高く、また湿度は99.9%と依然として水蒸気が充満していることが東京電力の調査で分かった。今後、建屋の中の作業を進めるためには水蒸気を減らしたうえで、汚染された空気を浄化する必要がある。冷却システムの稼働によってどの程度水蒸気を減らすことができるか分かっておらず、浄化装置を設置して放射性物質を減らすまでには時間がかかることも予想されるため、今後、建屋内の作業は難航する可能性もある。
▲top
 2011年5月29日(日)   20時30分 5号機 ポンプ復旧し温度下がる
原子炉が冷温停止している福島第一原発5号機で、28日夜、原子炉などを冷やすための海水ポンプが停止しているのが見つかったが、29日昼すぎまでに復旧作業が終わり、一時上昇した原子炉の温度も下がっている。停止していたのは原子炉や使用済み燃料プールを冷やす冷却装置に海水を送り込むためのポンプで、28日午後9時ごろ、施設を巡回していた職員が見つけた。東京電力は29日朝まで、復旧作業やトラブルの公表をしていなかった。
▲top
 2011年5月29日(日)   04時40分 燃料プール 安定的冷却へ前進
福島第一原発では、原子炉とともに使用済み燃料プールの冷却も大きな課題となっているが、1号機で28日から、プールへの注水が安定的にできる本来の配管を使った方法に切り替わった。これで1号機から4号機まですべてこの方法での注水が可能になり、安定的な冷却に向けて一歩前進した。東京電力では、プールの水を循環させて冷やす新たなシステムへの切り替えを目指していて、▽熱交換器の設置が始まった2号機では今月中にも、▽1号機と3号機では来月、▽さらに4号機では7月にも、冷却システムを稼動させたいとしている。
▲top
 2011年5月29日(日)   04時40分 宮城・茨城沖 海底に放射性セシウム
福島第一原発の事故で、太平洋沿岸の南北300キロに及ぶ合わせて12ポイントで海底から土を採取し分析した。新たに宮城県と茨城県の沖合の海底の土からも、通常の濃度を大幅に上回る放射性セシウムが検出された。専門家は「魚介類への影響がないか、広い範囲で監視を強めるべきだ」としている。
▲top
 2011年5月29日(日)   00時00分 土壌の放射性物質除去へ実験
福島第一原発の事故で、周辺の農地から検出されている放射性物質を取り除く方法を検討するため、農林水産省は、土壌から放射性物質を吸収する性質が報告されているヒマワリなどの試験栽培を福島県の農地で始めた。28日は実験が行われる福島県飯舘村で地元への説明会が開かれ、鹿野農林水産大臣は「放射性物質に汚染された農地を、もう一度農業を営むことができるようにしたい。実験で効果が確かめられれば直ちに導入していきたい」と述べた。
▲top
 2011年5月28日(土)   13時00分 汚染水“雨で流出のおそれ”
福島第一原発では、原子炉を冷やすための注水が行われているため、施設内にたまっている高濃度の放射性物質に汚染された水の量が増えている。28日午前7時現在、トレンチの水面から地上までの高さは2号機で57.6センチ、3号機で43.1センチとなっている。今後の雨で、汚染水の水位がさらに上昇し、海や地下水に流れ出すおそれがあるとして、東京電力は注意深く監視している。気象台によりますと、福島第一原発の周辺では、前線や台風の影響で29日から30日にかけてまとまった雨が予想されている。
▲top
 2011年5月27日(金)   19時50分 1号機 作業員入り汚染水調査
「メルトダウン」が起きたとみられる1号機では、27日、作業員が原子炉建屋に入り、地下にたまっている高濃度の汚染水の水位や放射性物質の濃度を調べた。1号機では、「メルトダウン」によって原子炉に穴が開き、さらに格納容器も損傷したとみられ、漏れ出した高濃度の汚染水が原子炉建屋の地下に大量にたまっている。事故の収束に向けた工程表では、この汚染水を配管を通じて外に出して冷やし、再び原子炉の中に入れるという循環型のシステムを構築する計画。
▲top
 2011年5月27日(金)   17時00分 1ミリシーベルト以下目指す
東京電力福島第一原子力発電所の事故で子どもたちの被ばくをいかに減らすかが課題となるなか、文部科学省は、福島県内の学校で子どもたちが受ける放射線量を、今年度は、当面、年間1ミリシーベルト以下を目指すと発表した。一定の放射線量を超えた学校については、校庭の表面の土を取り除く費用のほぼ全額を国が負担するとしている。
▲top
 2011年5月27日(金)   13時00分 移送先で汚染水漏出
3号機のタービン建屋から移されていた高濃度の汚染水が移送先の施設の通路に漏れ続けているとみられ、東京電力は、通路からさらに地下水などに漏れ出ていないか監視を強化している。漏れ出ているおそれがあれば新たに止水工事をする必要があるとしているが、経済産業省の原子力安全・保安院によると、汚染水の表面からは1時間当たり70ミリシーベルトという高い放射線量が測定されているため、工事をする場合は作業員が被ばくしないよう十分な対策をすることが求められ、困難が予想される。
▲top
 2011年5月26日(木)   18時30分 汚染水 移送先の施設内で漏出
3号機の汚染水を移送した施設で水位が約5cm下がっていることについて、東京電力は、移送した施設の止水工事が不十分だったため施設内の別の場所に漏れたとみて確認している。57トン余りの汚染水が減った計算になるということ。今のところ、地下水の放射性物質の濃度に変化はないとしているが、監視する地点を増やすなどして外部に漏れていないかどうか警戒することにしている。
▲top
 2011年5月26日(木)   06時00分 汚染水減らず 追加の移送検討
2号機と3号機のタービン建屋にたまっている高濃度の放射性物質に汚染された水は、当初の計画の90%以上が保管施設に移送されたが、原子炉への注水で汚染水の量は、ほとんど減らず。東京電力では、汚染水の浄化装置を導入して、来月上旬に試運転を始める予定だが、それまでの間、増え続ける汚染水がタービン建屋などの施設から海や地下水にあふれ出すおそれがあり、さらに移送先を確保できないか検討している。
▲top
 2011年5月26日(木)   06時00分 1号機の窒素注入 また止まる
1号機で水素爆発を防ぐための格納容器への窒素ガスの注入が25日の午後、少なくとも4時間以上止まっていたことが分かった。注入が止まったのは今月21日に続いて2回目で、いずれも原因が分かっておらず、東京電力で原因の特定を急いでいる。1号機への窒素ガスの注入は、原子炉で核燃料と水が反応して発生した水素が格納容器にたまり、再び爆発するのを防ごうと、先月6日から続けられている。
▲top
 2011年5月25日(水)   19時50分 IAEA調査団 本格的調査始まる
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査のために来日したIAEA=国際原子力機関の調査団が、25日から本格的な調査に入り、原子力安全・保安院などから、事故の経緯や対応について説明を受けた。IAEAの調査団は、イギリスやフランス、韓国など12か国の専門家18人で構成され、25日、日本側からの説明を受けるため経済産業省を訪れた。IAEAのウエイトマン団長は「今回の調査結果は、来月開くIAEAの国際会議で報告する。日本の経験が国際社会の教訓となるよう、すべての情報を提供していただきたい」と述べた。
▲top
 2011年5月25日(水)   19時50分 3号機 重要な配管損傷の可能性
3号機で、事故直後の原子炉の状態を解析した結果、緊急時に原子炉の水位を保つ「高圧注水系」と呼ばれる非常用の冷却装置の配管が損傷した可能性があることが分かった。この配管は、安全上最も重要な設備に分類され、本来破損が起きてはならない配管の1つ。東京電力は、今のところ地震で重要な配管が損傷した形跡はないとしているが、地震が引き金となって破損した可能性がないか、徹底した検証が求められる。
▲top
 2011年5月25日(水)   05時40分 福島県いわき市で震度5弱
25日午前5時36分ごろ福島県いわき市で震度5弱の揺れを感じた。気象庁によると震源地は福島県浜通りで震源の深さは約10キロ、地震の規模はマグニチュード5.1。その後も福島県浜通りを震源とする震度1〜3の地震が頻発している。
▲top
 2011年5月25日(水)   02時30分 1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
東電が24日公表した福島第一原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。
▲top
 2011年5月25日(水)   02時30分 1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
東電が24日公表した福島第一原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。
▲top
 2011年5月24日(火)   08時35分 2、3号機も炉心溶融、容器損傷「限定的」
東京電力は24日、1〜3号機の地震発生前後の原子炉の状態について解析結果を公表した。圧力容器内で水位計通りの水位があった場合と、水位が低下していた場合の2通りを想定した。水位が維持されていない場合、2号機は地震から約101時間後の3月15日午後8時ごろ、3号機では約60時間後の同14日午前3時ごろに、溶けた核燃料の大部分が圧力容器底部に落下するメルトダウン(炉心溶融)の状態になったとした。2、3号機とも水位が低下していた場合の解析では、溶け落ちた燃料が圧力容器の底部を破損した可能性が高い。しかし、東電は温度計測結果などから、実際の損傷は「限定的だった」と判断。「現在は冷却が続けられており、今後、大規模な放射性物質放出には至らない」と結論付けた。
▲top
 2011年5月24日(火)   05時50分 2号機 プール熱交換器設置へ
2号機では、原子炉建屋の中に充満している水蒸気を減らすため、使用済み燃料プールを冷やす熱交換器という装置が24日に設置される予定で、東京電力は、プールに注水を続けて冷やしている状態から水を循環させて安定的に冷やす方法に切り替えたいとしている。熱交換器は原子炉建屋の隣にある建物の中に2台設置され、プールの水を配管とポンプを使って引き込んで冷やし、再びプールに戻す。東京電力は、このシステムを今月中に稼働させ、70度から80度あるプールを1か月で40度程度に下げたいとしている。
▲top
 2011年5月23日(月)   18時30分 汚染水 移送先が満杯の見通し
2号機と3号機のタービン建屋などにたまっている高濃度の汚染水が敷地内の施設に移送されているが、あと3日から4日で満杯になり移送は中断される見通し。汚染水を処理する新たな施設が完成する来月中旬まで、東京電力は建屋などに残った汚染水が漏れ出さないよう難しい対応を迫られる。
▲top
 2011年5月23日(月)   14時00分 4号機 燃料プール支える工事へ
爆発によって使用済み燃料プールを支える壁が損傷した4号機で、プールの底を下から支える構造物を作る準備工事が23日から始まり、原子炉建屋の2階に作業員が入って高い放射線量がある熱交換器の周りの遮蔽や、作業の妨げになる壁の撤去、足場を設置するなどの作業を始めることにしている。鋼鉄製の支柱を来月設置し、7月末には構造物を完成させたいと。

▲top
 2011年5月23日(月)   05時30分 建屋の真上で放射性物質測定
福島第一原発の事故で、原子炉建屋から現在もどのくらいの量の放射性物質が空気中に放出されているのかを把握するため、1号機と4号機の建屋の真上で試験的に放射性物質の測定を始めた。測定は1、4号機の使用済み燃料プールに水を入れている高さ50m余りのポンプ車の先に小型の測定装置を取り付け、骨組みがむき出しになっている建屋の5〜10m上で、およそ20分間にわたって放射性物質の量を測定する。東電は、1号機で22日午後に測定を行っていて、早ければ24日にも分析結果を公表したいと。
▲top
 2011年5月22日(日)   21時00分 2号機 熱交換器を今週設置へ
2号機の原子炉建屋に充満している水蒸気を減らすため、東京電力は、2号機の使用済み燃料プールの水を別の建物に設置した熱交換器に通して冷却するという計画を原子力安全・保安院に報告し、了解が得られれば今週中に新たな熱交換器を設置することにしている。この施設によって70度から80度と見られるプールの温度を、1か月後に40度程度まで下げることができると説明。新たな冷却装置を今月末にも稼働させ、さらに1号機と3号機では来月、4号機では7月にも同じような冷却装置を稼動させたいとしている。
▲top
 2011年5月22日(日)   13時45分 1号機窒素注入 3時間余中断
1号機で、水素爆発を避けるために行われている原子炉格納容器への窒素ガスの注入が、21日の午後、機器のトラブルによって3時間余りにわたって中断していたことが分かり、東京電力は、格納容器の圧力などのデータから大きな問題にはなっていないとしているが、機器のトラブルの原因を調べている。
▲top
 2011年5月22日(日)   00時00分 流出汚染水 南下後に東へ拡散
東電は福島第一原子力発電所から流出した放射性物質を含んだ汚染水が、海でどのように広がったかシミュレーションの結果を公表した。汚染水は先月中旬をピークに濃度を減少させながら150キロ離れた茨城県沖まで南下したあと、黒潮に乗って東に拡散し、今後さらに下がると予想している。専門家は、魚介類など環境への影響を具体的に把握するために「生態系全体を網羅する十分な調査が必要だ」と話している。
▲top
 2011年5月21日(土)   16時50分 放射線量高いがれき見つかる
3号機の南側で、これまでに屋外で見つかったがれきのなかで最も高い1時間当たり1000ミリシーベルトの放射線量を出すがれきが見つかり、東京電力は水素爆発の際に放射性物質が付着したとみている。がれきの近くには、3号機の燃料プールに水を送るコンクリートポンプ車が置かれているが、東京電力は運転席などで作業するには問題ないとしており、今月25日以降、重機を使って慎重にがれきを取り除きたいとしている。
▲top
 2011年5月21日(土)   14時00分 3号機からの汚染水 基準値の100倍
3号機で、「ピット」と呼ばれる施設から今月10日の午前2時ごろから41時間にわたり、250トンの汚染水が流出したとみられる。この汚染水について、含まれる放射能の量は東京電力の推計で20兆ベクレルで、保安規定で福島第一原発で許容されている年間の放出量のおよそ100倍に当たる。取水口付近に汚染水の流出を抑えるシルトフェンスと呼ばれるカーテン状のフェンスが設置されていることから、東京電力は汚染水のほとんどは取水口付近にとどまっているとみている。
▲top
 2011年5月21日(土)   04時35分 作業員の健康管理 強化を検討
福島第一原発では、今月14日に作業中の男性が死亡するなど、作業員の健康管理が大きな課題となる。東京電力は、現在、日中の時間帯しか、原則、常駐させていない医師を24時間態勢にする方向で検討を始めるなど対策を急ぐと。福島第一原発の復旧現場では、放射性物質の汚染が広がっていて、作業員は、防護服や全面マスクをして作業に当たらなければならず、精神的にも体力的にも厳しい環境。夏場にかけては、梅雨による湿気や暑さなどによって、さらに作業環境が悪化することが予想される。事故の収束に向けた復旧作業が長期化するなか、作業員の健康をどう管理するか、大きな課題となっている。
▲top
 2011年5月20日(金)   20時45分 東電社長に西沢常務、会長は続投
東電は20日、福島第1原発事故に伴って清水正孝社長が6月28日付で引責辞任し、後任に西沢俊夫常務を起用すると発表した。西沢氏は京大経卒、60歳。長野県出身。勝俣会長は続投する。
▲top
 2011年5月20日(金)   18時00分 1〜4号機を廃炉 増設は中止
東京電力は、福島第一原子力発電所の1号機から4号機までを廃炉にするとともに、7号機と8号機の増設計画を中止すると正式に発表した。20日に開かれた東京電力の取締役会で決まったもの。1号機から4号機までについては、地震や津波、それに今回の事故による設備の損傷が著しいことから、廃炉にすることを決めたと。また、7号機と8号機の増設計画については、今回の事故が社会に与えた影響を踏まえると、地元の理解を得るのは極めて困難だとして中止を決めたということだ。残る5号機と6号機、それに福島第二原発については「当面は冷温停止状態の維持に必要な措置を講じる」としている。
▲top
 2011年5月20日(金)   17時00分 2・3号機 窒素注入方法検討
2号機と3号機では、水素爆発が起きないよう原子炉格納容器に窒素の注入を行う方針。作業員が立ち入って調査した結果、2号機では使用済み燃料プールなどから発生している大量の水蒸気が障害となることが分かったほか、3号機では、窒素の注入経路となる格納容器の扉付近の1時間当たり170ミリシーベルトという強い放射線をどう避けるかが課題であることが分かった。データを基に、その方法の検討を進める。一方、福島第一原発で最も多い1331体の使用済み燃料が保管されている4号機のプールは、7日の時点で冷却水の温度が84度で、その後も水温の高い状態が続いているとみられる。
▲top
 2011年5月20日(金)   05時10分 2・3号機建屋内 厳しい環境
18日、1号機に続いて2号機と3号機の原子炉建屋にも爆発以来、初めて作業員が入り、内部の放射線量などを測定。その結果、2号機、3号機とも高い放射線量や湿度という厳しい作業環境であることが改めて浮き彫りになった。このため、2号機については湿気の原因とみられる使用済み燃料プールの温度を下げるための冷却装置の設置を急ぐ方針だが、運転開始は早くても今月末になる見通し。当面、中に入っての作業はできない。また、3号機についても、高い放射線を遮蔽する対策が取れないか検討する。厳しい作業環境をどう改善できるかが今後の工程を左右しそう。
▲top
 2011年5月19日(木)   10時15分 3号機にも立ち入り=爆発後初
東京電力は19日、福島第1原発3号機の原子炉建屋に18日午後、作業員2人が入ったと発表した。同建屋への人の立ち入りは同建屋が水素爆発を起こした3月14日以降、初めて。東電によると、目的は2号機と同じく内部の放射線量測定や状況確認など。立ち入りは18日午後4時半ごろから約10分間だったという。この際の計測で同建屋の床から2〜3メートルの場所の空間線量は、毎時160〜170ミリシーベルトを記録。作業員の被ばく線量は最大2.85ミリシーベルトだった。
▲top
 2011年5月19日(木)   04時15分 2号機 月内にも冷却装置稼働
東京電力は、福島第一原子力発電所の使用済み燃料プールを安定的に冷やすため、冷却装置の設置を前倒しして進めることになり、このうち、原子炉建屋に水蒸気が充満し作業に支障が出ている2号機では、早ければ今月末にも冷却装置が稼働する見通しとなった。東京電力の松本本部長代理は「2号機は、建屋が水素爆発で壊れた1号機や3号機と違って、屋根が残っているために水蒸気が充満しやすい。プールの冷却を進めれば、建屋の中の水蒸気を減らすことができるのではないか」と話している。
▲top
 2011年5月18日(水)   20時00分 首相 原子力行政を根本改革へ
菅総理大臣は18日夜記者会見し、日本の原子力行政について、原子力の推進とチェックする機関が、ともに経済産業省に属していることは問題があるとして、原子力安全・保安院の経済産業省からの分離も念頭に、今後、原子力行政の在り方を根本的に改革する必要があるという考えを示した。一方、点検のために運転を見合わせている原子力発電所の再稼働について、「現在、各電力会社に対して、緊急の安全措置をしっかり行うよう指示しており、安全措置がしっかりと講じられ、安全性が確認されたものについては、従来の方針に沿って、稼働を認めていくことになる」と述べた。 
▲top
 2011年5月18日(水)   19時00分 2号機 水蒸気充満で作業難航
2号機の原子炉建屋に爆発が起きて以来、初めて作業員が入り、放射線の量などを調べた。しかし、建屋の中には、水蒸気が充満して作業は思うように進まず4人の作業員は14分間で退出した。被ばくの量は、1人当たり3から4ミリシーベルトで、東京電力は「放射線の数値は、それほど高くはなかった」としている。東京電力は、水蒸気の発生源の1つとみられる使用済み燃料プールの冷却を急ぐ方針。
▲top
 2011年5月18日(水)   11時20分 2号機に作業員…爆発音の発生後初
東京電力は18日、福島第1原発2号機の原子炉建屋に作業員4人が入り、放射線量の測定や破損箇所の確認などを始めたと発表した。同建屋に作業員が入ったのは同日午前9時半ごろで、3月15日に格納容器下部の圧力抑制プールで爆発音がして以降初めて。今回は計器の調整や冷却設備の取り付けに先立ち、建屋1〜2階の作業環境を確認する。被ばくを防ぐため、重さ数キロの「タングステンベスト」などを着用し、空気ボンベも使用した。当初は17日午後に入る予定だったが、準備に手間取り、18日に延期された。
▲top
 2011年5月18日(水)   08時10分 東電福島第一原発最新映像ーNHK
東京電力は17日、6日に撮影された福島第一原子力発電所の映像を公開した。映像には、津波や爆発による被害の大きさや、作業員が寝泊まりしている免震重要棟の中の様子も映されています。放射性物質の漏えい防止に向けた取り組みも撮影されていて、緑色の飛散防止剤を特殊な車両で散布する様子や、放射線を発するがれきをコンテナに詰めて撤去する様子も映されている。
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/movie/chapter_58.html
▲top
 2011年5月18日(水)   08時10分 3号機取水口付近 550倍超
3号機の取水口付近で17日、採取した海水の放射性物質の濃度を分析した結果セシウム134が1cc当たり33ベクレル検出。これは国の基準の550倍に当たる濃度で、前の日の半分近くに低下した。セシウム137も1cc当たり35ベクレルと基準の390倍で、前の日を下回った。このほか、先月2日に同じようにピットから高濃度の汚染水が流れ出ていた2号機の取水口付近で、16日に採取した海水の放射性ヨウ素は基準の1900倍と依然、高い濃度となっている。一方、沖合3キロから15キロの海域の17か所で、16日行われた調査では、海面の7か所で放射性セシウムが検出されたが、いずれも基準は下回った。
▲top
 2011年5月17日(火)   17時40分 冠水作業見直し、東電の新工程表
東京電力は17日、福島第一原子力発電所の事故対策の工程表を見直し、1〜3号機の原子炉冷却方法について格納容器に水を満たす冠水(水棺)作業を見直し、汚染水を処理して冷却に使う「循環注水冷却」を実施することなどを中心にした新しい工程表を発表した。同原発1号機では工程表発表後、「炉心溶融(メルトダウン)」が判明していた。なお、遅くとも9か月で冷温停止まで持って行くスケジュールは守るという。
▲top
 2011年5月17日(火)   08時45分 メガフロート 小名浜港に接岸
メガフロートと呼ばれる鋼鉄製の人工島が、17日朝、福島県いわき市の小名浜港に接岸した。メガフロートは、東京電力が静岡市から提供を受けた長さ136m、幅46mの鋼鉄製の人工島で、内部に最大でおよそ1万トンの水をためることができる。増え続けているとみられる放射性物質の汚染水をためる施設として使うため、15日に横浜港を出港した。17朝、福島県いわき市沖に到着し、午前8時ごろ3隻のタグボートでえい航され、小名浜港に接岸。メガフロートは、これまでおよそ1か月かけて水漏れを防ぐ工事のほか、大型のクレーンや配管の取り付け工事が行われている。小名浜港では最終的なチェックが行われ、問題がなければ福島第一原発の沖合に向かう。
▲top
 2011年5月17日(火)   06時10分 2・3号機もメルトダウン 
2、3号機でも炉心溶融が起こり、原子炉圧力容器の底に燃料が崩れ落ちるメルトダウンが起きていたとみられることが、16日に東電が公表したデータで裏付けられた。3号機では溶けた核燃料がさらに下の格納容器内に落ちた恐れもある。専門家は事故直後から指摘しており、細野豪志首相補佐官も16日の会見で2、3号機でのメルトダウンの可能性を示唆した。1号機に続き2、3号機でもメルトダウンの可能性が出てきたことにより、工程表の大幅な見直しは必至だ。炉心を冷やすシステムづくりに時間がかかり、高濃度の放射能汚染水の処理も膨大になるからだ。
▲top
 2011年5月17日(火)   05時45分 工程表の見直し内容 発表へ
東京電力は、福島第一原発の工程表を発表してから17日でちょうど1か月になるのを受けて、現在の作業の進み具合を踏まえた工程表の見直しの内容を明らかにする。
当初、計画されていた「冠水措置」は見直したうえで格納容器の低い位置から水を抜き、熱交換器で冷やして循環させる方法や、原子炉建屋の地下にたまっている水を放射性物質を取り除いてから原子炉に戻す方法を検討していると。スケジュールについては、これまでどおり半年から9か月程度で原発を安定化する方針。
▲top
 2011年5月16日(月)   14時00分 3号機の不安定さ続く 
3号機の圧力容器の温度が上昇、4月下旬以降、不安定な状況が続いている。東電は12日に新たな場所からの注水を開始、量も増やした。また、3号機では水素爆発を防ぐ窒素ガス注入が遅れている。東電は15日、核反応を抑えるホウ酸を混ぜた水を注入する作業を3号機で始めた。東電は圧力容器の温度上昇について、注水用の配管から水が漏れている可能性があるとみて、別の経路で注入を始めた。圧力容器上部の胴フランジと呼ばれる部分では15日午前8時現在で297.5度まで上昇したが、16日午前5時は269度まで下がった。
▲top
 2011年5月16日(月)   04時10分 2・3号機 水位把握は難航か
1号機で、いわゆる「メルトダウン」が起きていたとみられる問題で、東京電力は、2号機と3号機でも同じように原子炉内の正確な水位が把握できていないことから、最悪の場合は1号機と同じようにメルトダウンが起きていることも想定されるとしている。ただ、原子炉内の温度は比較的安定していることから、メルトダウンが起きていたとしても、1号機と同様に冷却はできていると。原子炉建屋内に作業員を入れて、機器の調整を行うことにしているが、現場の状況が把握できておらず、作業は難航することも予想される。
▲top
 2011年5月15日(日)   22時00分 3号機にホウ酸注入、再臨界防止
東京電力は15日、3号機の原子炉で再臨界が起きないよう、原子炉の冷却水に、中性子線を吸収するホウ酸を溶かした上で、同日から原子炉への注水を始めたと発表した。1、2号機も今後、同じ措置を取る。再臨界は連続的な核分裂が再び起こる現象。
一方、3号機の圧力容器は、上端部の温度が急上昇している。東電は「注水用配管から水が漏れている可能性がある」として、12日からは別の配管を追加し、二つの配管で毎時計12トンを注水した。14日からは注水量を毎時計15トンに増やしたが、上端部の温度は15日午前5時までの24時間で46・5度上昇し、297度になった。東電は、「注水がまだうまくいっていない」と見ている。
▲top
 2011年5月15日(日)   13時10分 1号機 注水量増やし水位確認へ
1号機では、原子炉の水が極端に減り、「メルトダウン」が起きて原子炉に穴が開くとともに、格納容器も損傷して、高濃度の汚染水が原子炉建屋の中などに大量に漏れ出ているものとみられている。工程表で示した、格納容器を水で満たす「冠水措置」の見直しを進めているが、今後の方針を検討するため、原子炉への注水量を増やし、水位に変化が出ないか確認することになった。具体的には、現在1時間当たり8トンの注水量を10トンに増やし、2日間程度、原子炉の水位や温度、それに格納容器の圧力などを監視するとのこと。
▲top
 2011年5月15日(日)   13時10分 3号機の対処急ぐ必要
細野総理大臣補佐官は、1号機で「“冠水”といって、水位をできるだけ上げて冷やすことを考えてきたが、難しいので、場合によっては汚染水を除染して真水に近くしたものを戻すことで冷却するなど、大きなサイクルを変えることを含めて再検討が必要だ」と述べた。そのうえで、「1号機は温度自体は100度前後と比較的安定しており、炉心溶融自体は確かに非常に深刻だが、ある程度きっちり冷えていることを考えれば、その状況自体は安定している。むしろ心配なのは3号機で、必ずしも順調に冷えておらず、3号機にどう対応するかが、私の頭の中で比重を占めている」と述べ、冷却が進んでいない3号機への対処を急ぐ必要があるという認識を示した。
▲top
 2011年5月14日(土)   18時00分 建屋内で2000ミリシーベルト
経済産業省原子力安全・保安院は14日、東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内を13日午後にロボットで調べたところ、最大で毎時2000ミリシーベルトの線量が観測されたと発表した。また東京電力によると、1号機原子炉建屋地下を同日、作業員が確認したところ、床から天井までの半分ぐらいの高さまで水がたまっていた。格納容器から漏れた放射能汚染水の可能性が高いという。建屋地下の容積は約6000立方メートルあるため、汚染水が半分たまっている場合、量は約3000トンに上る可能性がある。
▲top
 2011年5月14日(土)   14時00分 浜岡原発、すべての原子炉が停止
中部電力は14日午後、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機(138万キロ・ワット)の原子炉が停止したと発表した。菅首相による全面停止要請の受け入れを9日に決めており、これで浜岡原発はすべての原子炉が停止した。中部電力は午前1時20分から、原子炉の出力を引き下げながら、核分裂反応を抑える「制御棒」を挿入する作業を開始。同社本店(名古屋市)に設置された5号機のデジタルの出力表示は午前10時15分に「0」を示し、発電が停止した。同日午後1時頃、全部で205本ある制御棒の挿入が終わり、原子炉が停止した。中部電力は2011年度に計画していた電力供給力の12%にあたる約360万キロ・ワットを失う。
▲top
 2011年5月14日(土)   12時30分 3号機原子炉への注水増やす
福島第一原発事故で、東京電力は14日、3号機の原子炉圧力容器の温度が上昇傾向を示したため、同日午前10時すぎに冷却用注水の量を毎時12トンから15トンに増やしたと発表した。圧力容器下部の温度は同5時時点で148.1度だった。3号機はこれまで消火系配管から注水していたが、配管の分岐構造の関係で十分届いていないと考えられたため、12日午後から徐々に給水系配管からの注水に切り替える作業を行っていた。この日は消火系配管からの注水を毎時6トンから9トンに増やし、給水系配管からの注水を6トンのままとした。
▲top
 2011年5月14日(土)   07時00分 1号機メルトダウン「想定外」〜細野補佐官
1号機で、燃料棒が溶け落ちる「メルトダウン」が起きていたことについて、細野首相補佐官は13日、事故対策統合本部の会見で「(燃料が)溶融しているだろうと思っていたが、下の方にほぼ全てが集まっている状況までは想定外だった」と述べ、認識が甘かったと認めた。今後、圧力容器のデータが正しく計測されているかを検証し、17日に工程表の見直しを発表する考え。1号機では、燃料棒が溶け落ちたことで原子炉圧力容器に穴が開き、冷却のための水が漏れ、格納容器からも漏れているとみられている。
▲top
 2011年5月14日(土)   07時00分 1号機原子炉建屋をカバーで覆う準備を開始
東京電力は、放射性物質の飛散を防止するため、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋をカバーで覆うと発表し、13日から準備作業を始めた。1号機の原子炉建屋は、水素爆発で天井が崩れている。東京電力は、放射性物質が外へ漏れ続けることを防ぐため、原子炉建屋をカバーで覆うこととし、13日から準備作業を始めた。鉄骨を組んだ後、ポリエステル製のカバーで覆うということで、秒速25メートルの風に10分以上耐えられるという。細野首相補佐官は「中長期的な対策を実施するまでの応急的な措置だ」としている。カバー本体を設置する工事は、早ければ6月から始めるという。
▲top
 2011年5月13日(金)   05時00分 汚染水流出 原因は移送作業
3号機の取水口付近で、高濃度の汚染水が海に流出した問題は、汚染水の移送作業に伴って、地下の管から水があふれ出たことが原因と分かった。東京電力は12日の記者会見で「汚染水が漏れ出ないかの事前の検討が不十分だった」と、作業計画の不備を認めた。2号機に続いて高濃度の汚染水の流出が起きただけでなく、作業計画の不備が原因となったことで、東京電力の対応が改めて問われている。
▲top
 2011年5月13日(金)   04時00分 浜岡原発4号機、運転停止作業に着手
中部電力は13日午前3時半から、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の4号機(113・7万キロ・ワット)の運転を停止する作業に着手した。核分裂の反応を抑える「制御棒」を徐々に挿入し、午前10時には発電を停止する予定。185本すべての制御棒が挿入し終えるのは、13日午後3時頃になる見通し。
さらに14日未明には、5号機(138万キロ・ワット)の出力を下げ始め、午前10時頃に発電を停止する。5号機の炉内の温度が100度未満の安定した「冷温停止」状態になるのは15日午前10時頃を予定している。
▲top
 2011年5月13日(金)   00時00分 1号機「メルトダウン」東電認める
東京電力は12日、1号機の原子炉圧力容器で、冷却水の量が少ないため完全に水から露出した核燃料が過熱して容器底部に落下し、直径数センチ程度の穴に相当する損傷部から水が漏れていると見られると発表した。この状態が「メルトダウン(炉心溶融)」であることを認めた。圧力容器の温度は100〜200度と安定しているため、今後大きな事故に至る可能性は低いと見ているが、圧力容器を覆う格納容器からも水が漏れだしている可能性が高く、事故収束は難航が予想される。
▲top
 2011年5月12日(木)   16時15分 1号機“工程表見直し必要”
1号機は、原子炉の水位が極端に低くなっていることが分かり、東京電力は、原子炉に穴が開いて大量の水が漏れ出しているとみられることを明らかにした。原子炉の下側の表面温度は100度から120度程度に保たれていることから、「燃料は本来の位置よりも下にずれた状態で、水につかるなどして冷却ができている。」「燃料が完全に溶けて原子炉の底が抜け、下に流れていくような状態ではなく、原子炉の中にとどまって冷やされているのではないか」と。東電は事故の収束に向けた工程表の見直しが必要だという見方を示した。
▲top
 2011年5月12日(木)   08時50分 1号機、格納容器水位は想定以下
原子炉を冷やすために格納容器を水で満たす冠水(水棺)作業が進められている1号機は、これまで考えられていたほど水がたまっておらず、格納容器の半分にも達していないことが11日、政府・東電統合対策室の調べでわかった。原子炉建屋内に人が入って水位を測る計器類を再調整した結果、判明した。同室で原因を調べているが、格納容器からの水漏れや、予定された量の水が格納容器に注入できていない可能性が考えられる。1号機は、2、3号機に比べて、格納容器の健全性が保たれていると考えられ、原子炉を安定的に冷やすための作業が先行して行われている。格納容器に水漏れがあった場合、今後の冠水作業が大幅に遅れる可能性もある。
▲top
 2011年5月12日(木)   06時05分 3号機汚染水 海への流出確認
3号機で11日、取水口付近から高濃度の汚染水が海に流出しているのが見つかった。ピットと呼ばれる作業用の穴を埋めたところ、流出は止まったが、いつから、どのように漏れ出たのか分かっておらず、東京電力でほかに海に流出する可能性がある場所はないか確認を急ぐ。ピットの水からはセシウム134が1cc当たり国の基準の62万倍に当たる3万7000ベクレル検出され、近くの海に設置された特殊なフェンスの内側からも、基準の3万2000倍のセシウム134が検出された。
▲top
 2011年5月12日(木)   3時0分 神奈川県西部 南足柄産の茶葉から基準超セシウム 回収へ
神奈川県西部の南足柄市産の茶葉から、国の基準を超える放射性セシウムが検出。
神奈川県によると、9日に採取された南足柄市の茶葉から、国の暫定規制値の1キロあたり500ベクレルを上回る550から570ベクレルの放射性セシウムが検出された。神奈川県は南足柄市とJAかながわ西湘に今年産の茶葉の出荷自粛を要請。

また「足柄茶」という名前で5月6日以降に出荷された商品の回収を呼びかけている。
▲top
 2011年5月11日(水)   19時15分 3号機ピット 汚染水流れ込む
3号機の、取水口付近にある「ピット」と呼ばれる施設に、11日午後、放射性物質を含む水が流れ込んでいるのを作業員が発見。水に含まれる放射性のセシウムの濃度は国の基準の62万倍に上り、東京電力では、その水が海に流出している可能性があるとして、水の分析を行うとともに、「ピット」の水を止める対策を進める。先月2日、2号機で、今回と同じような「ピット」と呼ばれる施設のひび割れから、高濃度の汚染水が海に流れ出ているのが確認された。「水ガラス」と呼ばれる特殊な薬剤を使って、水の通り道を塞ぐ作業を行い、流出が止まるまで発見から5日間かかり、海への放射性物質の汚染が問題となった。
▲top
 2011年5月11日(水)   08時00分 全国の原発 6割近くが停止に
日本には、商業用の原発が54基ある。このうち14基が地震や津波の影響によって運転できない状態になっているほか、11日現在で、定期検査などのために運転を止めている原発は18基あり、合わせると全体の6割近くに当たる32基が止まっているという異例の事態。中部電力の浜岡原発の4、5号機の2基は、今週中にも止まる見通し。さらに、これから夏にかけてもともと定期検査に入ることが計画されている原子炉が合わせて6基ある。このため、現在、停止している原子炉の運転の再開をどうするのか、電力会社や地元の自治体の判断がこの夏の電力需給に大きく影響することになる。
▲top
 2011年5月11日(水)   08時00分 川内村住民、政府の「自己責任」押しつけに激怒
福島第一原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」内にある福島県川内村の住民54世帯92人が10日、警戒区域に入り、一時帰宅した。同区域内に指定された9市町村では初めて。午前中の説明会で国側が「(住民らは)自己責任で立ち入る」との同意書への署名を求めたことに、住民からは「責任を押しつける気か」などと反発の声が上がった。防護服を着た住民は、わずか2時間の“滞在”で、自宅から思い出の品などを持ち出した。11日で、東日本大震災からちょうど2か月を迎える。
▲top
 2011年5月11日(水)   08時00分 工程表更新へ 作業阻む高放射線量
東京電力が工程表を発表してから3週間が経過。原子炉や核燃料貯蔵プールの冷却、放射性物質の拡散防止などの作業が進む。1号機の原子炉格納容器を水で満たして安定的に冷却するため、作業員を原子炉建屋内に入れ、水位計を調整した。水を循環させるための工事が必要な場所の状況も確認し、新たな冷却システムの構築に向けて、準備作業を本格化させた。しかし当初から課題とされた余震リスク、高い放射線量などが予定外の作業を増やし、工程表の道筋を阻む場面も出てきている。
▲top
 2011年5月10日(火)   15時20分 3号機 注水の配管切り替えへ
3号機では、今月に入って原子炉の温度が上昇したため、今月4日に注水量を1時間当たり7トンから9トンに増やしたが、その後も上昇傾向が続き、10日午前5時の時点で原子炉の底の部分の温度が150.6度と、この10日間で34.1度上がった。
注水の一部が原子炉に届かず、冷却できていないおそれがあるとして、注水の配管を切り替えるための工事を10日午後から始めることにした。
▲top
 2011年5月10日(火)   04時20分 作業計画を阻む高い放射線量
1号機の原子炉の安定的な冷却を目指した作業の計画が、高い放射線量に阻まれて、見直しも含めた対応を迫られている。放射線量は最大で1時間当たり700ミリシーベルトと、作業員の被ばく限度量に20分余りで達する値となったほか、調査を行った30分間での作業員の被ばく量は最大で10.56ミリシーベルトに上った。
調査の対象となったのは、格納容器を水で満たす「冠水措置」の実施や循環型冷却システムの構築に向けて、今後の作業が計画されている場所で、東京電力は「作業を行ううえで目標としていた数値よりも高い放射線量だった」という見方を示す。
▲top
 2011年5月9日(月)   19時10分 中部電力 原発停止は数日後めど
中部電力の水野明久社長は、浜岡原子力発電所の4号機、5号機の停止時期について「東日本や九州に、現在、電力を融通しているので、関係する電力各社との調整が必要だ。おおよそ数日をめどに調整がつきしだい停止の作業を始めたい」と述べた。作業については「停止の操作の開始から発電が止まるまでは、7時間から8時間程度かかる。準備が整いしだい1機ずつ停止を進めていくが、最終的には数日で完了すると考えている」と述べた。
▲top
 2011年5月9日(月)   18時00分 中電社長会見速報
停止の判断にあたって国からの支援策を確認している。
当社は最大限の経営効率に努めるが、多大な負担に対してと電力の需給バランスが非常に厳しくなることについて国としての支援をお願いした。
立地地域の雇用などについても含め海江田氏大臣に支援していくと確認していただいた。
中電としては、今後津波対策を全社あげて実施し、国民のみなさまに説明していく。
50ヘルツ地域の応援を取りやめさせていただくことになった。
たけとよ火力発電所3号機を供給力に盛り込んだが、まだ足りず、厳しい状況。
▲top
 2011年5月9日(月)   17時50分 社長の会見速報
4号機、5号機の運転停止、3号機の運転再開を取りやめる。総理大臣からの意見はとても重いものとして受け入れる。安全の確保を最優先に社会の信頼を得て成り立つ事業。多くの方々の信頼に支えていただいてやってきた。福島の事故を契機に新たな不安が広がった。津波に対する安全強化策を実施し、説明し、ご理解をいただくことを最優先とする。
運転停止により、立地地域の皆様、株主他、多くの方々にご迷惑をおかけするが、このことが長期的に原子力を安全、安心にやっていくことにつながると信じる。
▲top
 2011年5月9日(月)   17時47分 浜岡原発中止決定
中部電力は浜岡原子力発電所を停止することに決定。今から中電本店で会見が行なわれる。
▲top
 2011年5月9日(月)   06時55分 1号機 作業員が建屋内入る
1号機は、8日夜から原子炉建屋の入り口を開放した状態にしているが、これまでのところ周辺の放射線量の値に異常はないと。午前4時過ぎから、作業員が中に入って放射線量の測定などが行われた。問題がなければ、格納容器を水で満たす「冠水措置」に必要な水位計の補正や、「循環型の冷却システム」に使う配管の点検などが行われることになっており、1号機は原子炉の冷却機能の回復に向けた作業が本格化する見通し。
▲top
 2011年5月9日(月)   05時00分 海からストロンチウム初検出
東電は8日、福島第一原発の敷地内や周辺の海で4月18日に採取した土や海水から、放射性物質ストロンチウム90を初めて検出したと発表。半減期が約29年と長いうえ、化学的にカルシウムと似ていて、体内に入ると骨にたまる傾向がある。原発敷地外で放射能モニタリングを行っている文部科学省も今後、海洋のストロンチウム調査を実施。
1、2号機の排気筒から南南西約500メートル地点では、ストロンチウム90が乾かした土1キロあたり約570ベクレル検出された。1960年代の核実験などの影響で検出される通常の量より2けた大きい値で、原発から漏れたと考えられる。
▲top
 2011年5月8日(日)   17時00分 1号機原子炉建屋の二重扉開放へ
細野豪志首相補佐官は8日の記者会見で、1号機原子炉建屋の二重扉の開放作業を同日午後8時から始めることを明らかにした。建屋内で人が本格的な作業を始めるために行う。開放に伴い放射性物質が外部に排出される可能性があるが、細野氏は「環境に影響があるとは考えていない」と述べた。また、細野氏は開放作業の開始について、周辺自治体や近隣関係国にも事前に伝えたことを明らかにした。
▲top
 2011年5月8日(日)   13時40分 校庭の土を上下入れ替え
福島第1一原発事故による放射線対策として、福島大学付属中学校(福島市)と併設する付属幼稚園で8日、校庭や園庭の表面部分と下層部分の土を入れ替える試験が行われた。実施した文部科学省では、土の入れ替えによる放射線量の低減の有効性を検証し、各学校などの状況に合わせた具体的な方法について検討する。校庭の土の表面部分からは、毎時2.0マイクロシーベルトを検出。約20センチ掘った地点では同0.1マイクロシーベルト、土を上下入れ替えた後の表面部分からは同0.8マイクロシーベルトを観測した。いずれも校庭利用基準の同3.8マイクロシーベルトを下回る値だった。
▲top
 2011年5月7日(土)   22時30分 1号機 8日に放射性物質放出も
東京電力は1号機の原子炉建屋内から8日午後にも、放射性物質が外部へ放出される可能性があると発表した。原子炉建屋内で人が本格的な作業を始めるのに先立ち、原子炉建屋とタービン建屋の間にある二重扉を開放するため。東電は発電所周辺の放射線量の監視を強化する。
▲top
 2011年5月7日(土)   10時20分 「年間20ミリシーベルト」巡り、県議会が国に抗議 
福島第1原発事故で小中学校などの屋外活動を制限する基準「年間20ミリシーベルト」を巡り県議会の佐藤議長は、政府内で混乱が起きていることについて「県民の不安を増幅する」として国に抗議した。「国が示した基準を信頼しながら日々緊張の中でやっている関係者に大きな混乱と困惑をもたらす」と。この問題では、内閣官房参与を務めていた小佐古敏荘(こさことしそう)・東大教授が、文部科学省が示した基準に異論を唱え辞任した。
▲top
 2011年5月7日(土)   00時00分 浜岡原発運転停止は「おおむね2年」 安全・保安院
経済産業省原子力安全・保安院は6日、浜岡原発の全号機を当面停止するよう菅直人首相が要請した背景について「(安全対策の)一層の信頼性を高める必要があるため」との見解を示した。抜本的な安全対策には防潮堤などで津波を防ぐ一方、被災した場合の予備品の確保などが必要になるため「運転停止はおおむね2年程度」との見方を示した。
▲top
 2011年5月6日(金)   19時20分 首相が中部電力に浜岡原発の運転停止を要請
菅直人首相は6日夜、首相官邸で記者会見し、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の全ての原子炉を停止するよう、海江田万里経済産業相を通じて中電に要請したことを明らかにした。
首相は、今後30年間で浜岡原発が立地する地域で東海地震が発生する可能性が87%あるとして、防潮堤の建設など中長期的な津波対策が必要だと説明。その上で、「中長期の対策が完成するまでの間、(浜岡原発で)運転中のものを含め、全ての原子炉を停止すべきだと私は判断した」と述べた。
夏場の電力需要との関係では、「多少の(電力)不足が生じる可能性があるが、国民の理解と協力があれば対応できる」と語った。
▲top
 2011年5月6日(金)   12時30分 1号機 「冠水措置」へ注水増やす
1号機では、格納容器を水で満たす「冠水措置」を本格的に進めるため、6日午前中から1時間当たりの注水量を6トンから8トンに増やす。注水量の増加に伴って、格納容器の圧力が低下すると予想され、今後は適切な注水量の見極めが求められる。一方、冠水措置を進めるうえで欠かせない水位計の設置など、原子炉建屋内部での作業を本格的に進めるため、東京電力は5日、建屋内の放射性物質を取り除く空気浄化装置を設置した。
▲top
 2011年5月6日(金)   05時00分 3号機 原子炉の温度が上昇
3号機では、原子炉の温度が1週間余りで30度以上上昇していることから、東電は原子炉に入れる水の量を1時間当たり7トンから9トンに増やし、温度の推移を注意深く監視している。3号機は、1号機や2号機と同じように冷却機能が失われたことで燃料の一部が溶融したとみられ、原子炉を冷やすために仮設のポンプで外から水を注入する作業が続けられている。
▲top
 2011年5月6日(金)   05時00分 海底の土から放射性セシウム
東電が、福島第一原発の専用の港付近の海底で採取した土から、通常の値の3万8000倍に当たる放射性セシウムが検出された。2号機の施設から流出した高濃度の汚染水の放射性物質が海底に沈殿したものとみて注意深く監視を続けたいとしている。このほか、原発の沖合3キロ、8キロ、それに15キロの海域で行われた海水の調査では、調査対象となった17地点のうち、ほとんどで国の基準を下回った。
▲top
 2011年5月5日(木)   18時04分 浜岡原発 静岡県知事が「浜岡3号機すぐには動かせない」
中部電力は定期点検中の浜岡3号機について7月にも再稼働させる方針だが、地元では反対意見も多い。
 海江田経産相は5日、川勝平太静岡県知事、石原茂雄御前崎市長らと会談。川勝知事は「津波対策は極めて不十分」との認識を改めて示すとともに、浜岡3号機について「(緊急安全対策の評価を)クリアしたからといってすぐには動かせない」と強調した。石原市長は「津波に対する安全基準の指針を国が出してほしい」と要望した。
▲top
 2011年5月5日(木)   15時47分 1号機原子炉建屋内の換気用ホース設置終了
 東京電力は5日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋に作業員が入り、換気用のホースを置く作業を午後3時8分に終了したと発表した。
 同建屋に人が入ったのは、3月12日の水素爆発発生後初めて。午前11時32分、東電の社員2人が原子炉建屋とタービン建屋をつなぐ二重扉を開けて入り、建屋内の放射線量を測った。
 その後、東電の協力企業の作業員10人を加えた12人が3人1組となり、午後1時32分から建屋内での作業を開始。放射性物質を含む空気を吸い出すホース4本と、除染処理をした空気を建屋内に戻すホース4本を設置した。
 東電によると、予想される作業員の被曝(ひばく)線量は3ミリ・シーベルトとしている。
▲top
 2011年5月5日(木)   「謝罪遅い」「土下座しろ」東電社長に住民ら猛反発
東京電力の清水正孝社長は4日、福島第1原発事故の影響で県内に移転している広野町や浪江町、葛尾村の避難所などを訪れ、謝罪した。
 二本松市東和支所に役場機能を移した浪江町の馬場有町長は「なぜ無視してきたのか。謝罪が遅い」と不快感をあらわにした。
 町長はさらに、緊急時の通報連絡協定を守らず、「事故の翌朝まで一切連絡がなかった」と指摘。清水社長は「申し訳なかった」と謝罪し、事実関係を確認するとした。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/505461/
▲top
 2011年5月5日(木)   14時50分 福井県知事 原発4基の運転再開、「認められない。」
国内最多の14基の原発を抱える福井県の西川一誠知事は4日、定期検査中の関西電力美浜原発1号機など4基について、国が原発の暫定的な安全基準を示せないなら、「運転再開は認められない」との考えを明らかにした。
▲top
 2011年5月5日(木)   08時30分 8日にも扉開放、影響わずか
1号機の復旧作業で、早ければ今月8日に原子炉建屋の入り口が開けられる際に建屋の中と外との圧力や温度の差によって放射性物質の放出が予想されているが、東電は周辺への影響はほとんどないと。東電は、「モニタリングポストで計測される放射線量などを注意深く監視したい」と話す。放射性物質の放出が予想される作業を始める前に福島県などに連絡することにしている。
▲top
 2011年5月4日(水)   21時50分 溶融燃料どう処理?見えぬ収束点
大量の放射性物質を放出し、国際評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発と同じ「レベル7」とされた東京電力福島第1原発の放射能漏れ事故。1〜3号機では原子炉にあった核燃料の一部が溶融しているとみられている。溶融燃料の取り出しは過去に米スリーマイル島原発事故での例があるが、今回はそれ以上に過酷な状況。取り出した燃料の処分にも未知数が多く、専門家も先を見通しきれていない。東電が示した工程表では、中期的課題として「核燃料プールからの燃料取り出し」は書き込まれたが、原子炉内の核燃料については触れられておらず、処理方法のめどは立っていない。
▲top
 2011年5月4日(水)   19時00分 来年早々 帰宅可能か判断 菅総理大臣
菅総理大臣は4日午後、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、周辺住民らが避難している埼玉県内の避難所を訪れ、事態の収束に向けた作業が順調に進めば、来年早々には原発が安定的な状況になるという見通しを示し、その時点で住民が自宅に帰宅できるかどうか判断を行いたいという考えを示した。
▲top
 2011年5月4日(水)   14時20分 原子炉を安定的に冷却するシステムを稼働
1号機は、格納容器を水で満たす「水棺」の作業が行われているが、これに加えて「空冷」方式と呼ばれる原子炉の熱で高温となった水を空気で冷やして再び冷却に使うより安定的な冷却システムを、早ければ5月中に稼働させる方針。しかし、原子炉建屋内に人が入って作業する必要があるため、東京電力は5日、酸素ボンベをつけた作業員が建屋内に入り、「排風機」と呼ばれる装置のホースを設置し、換気を始めることにしている。
▲top
 2011年5月4日(水)   00時00分 海底土砂から高濃度放射性物質
東京電力は3日、福島第一原発から15〜20キロ離れた沿岸部の海底の土砂から、高濃度の放射性セシウムとヨウ素を検出したと発表。検出場所は、同原発の南約20キロの岩沢海岸(広野町、楢葉町)と北約15キロの南相馬市小高区の沖合3キロの水深20〜30メートルの海底で、4月29日に採取した。小高区沖では、土砂1キロ当たり、最大でセシウム137が1400ベクレル、セシウム134も1300ベクレルが検出され、いずれも通常の1000倍以上に達した。ヨウ素131も、通常の100倍以上の190ベクレルが検出された。東電は2地点の周辺も含め、魚介類の調査なども実施する方針。
▲top
 2011年5月4日(水)   00時00分 1号機タービン建屋へ換気装置6台を搬入
東京電力は3日、1号機原子炉建屋内の放射性物質の濃度を下げるため、隣接するタービン建屋内に換気装置6台を搬入。換気装置は、仮設ダクト(ホース)を通じて原子炉建屋の空気を吸い込み、毎時10〜40ミリ・シーベルトと高濃度の放射性物質を含んだ空気を数ミリ・シーベルトまで下げる。線量が下がれば、事故後初めて作業員が原子炉建屋に入り、配管などの損傷の確認、圧力計や水位計などの点検・修理など冷却機能回復に向けた復旧作業が始まる。
▲top
 2011年5月3日(火)   20時40分 福島第1原発:原子力安全・保安院長が福島知事に謝罪
東京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が3日、事故後初めて福島市の福島県災害対策本部を訪れ、佐藤雄平知事に謝罪した。
会談は非公開で行われた。県幹部によると、寺坂氏が事故と訪問の遅れをわび、佐藤知事は「(原発は安全とする)保安院の説明に見事に裏切られた。事故後54日目になってから来たのも理解できない」と話した。
会談後に会見した寺坂氏は「安全規制を担当する部局の責任者として、県民におわび申し上げたい。もっと早く来るべきだったが、事態収束に向けた活動をしていて本日になってしまった」と釈明。「原発の全電源喪失を想定した対応が十分ではなかった。しっかり受け止め、今後に生かしたい」と述べたが、保安院の責任については明言を避けた。
▲top
 2011年5月3日(火)   14時05分 警戒区域の一時帰宅 課題検証
立入禁止となっている原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」の住民の一時帰宅に向けて、政府や福島県内の関係する市町村の職員などが一時帰宅の課題を検証する予行演習が3日行われる。まず警戒区域の手前にある川内村の村民体育センターで、防護服やゴーグルなどを装着し、警戒区域に立ち入る準備をした。演習の目的は、一時帰宅が実際に行われた場合の課題を検証することで、一部の職員を「住民」に見立てて、通信手段を確保できるかどうかや放射線量の状況などについて確認すると。
▲top
 2011年5月3日(火)   06時30分 1号機の作業 テストケースに
1号機では5日にも、水素爆発が起きて以来初めて作業員が原子炉建屋に入ることになっている。格納容器を水で満たして原子炉を冷却できるか調べるため、格納容器内の水位を確認するなどの対策が必要。こうした作業環境を確保するため、建屋内の空気から放射性物質を取り除く装置を設置するもので、5日にも、作業員が建屋内に入り、放射性物質を含む空気を吸い出す管などを設置する計画。東電では、この作業がうまくいけば2、3号機でも建屋内で作業を行うことを検討したいと。
▲top
 2011年5月3日(火)   06時25分 作業員被ばく量 上限適用せず
今回の原発事故に対応するため全国の原子力発電所から派遣されている作業員は、今後、通常許容されている年間被ばく量の上限50ミリシーベルトを超えて、元の発電所に戻っても作業ができなくなる可能性があることから、厚生労働省は当分の間、通常の上限を適用しないことを決めた。5年間の上限値100ミリシーベルトについては「これを超えると作業員の安全が確保できなくなるおそれがある」として、そのまま適用することに。
▲top
 2011年5月3日(火)   06時00分 未公表拡散予測データ 公開へ
放射性物質がどのように拡散するかを予測するデータについて、政府と東京電力で作る統合対策本部は、これまで未公表の約5000件のデータを3日以降、文部科学省と経済産業省の原子力安全・保安院、それに原子力安全委員会のホームページで公開。このデータは、各地で観測される放射線の値や風などの気象情報から、放射性物質の広がり方をコンピューターで予測する「SPEEDI」というシステムを使って計算したもの。
▲top
 2011年5月2日(月)   17時00分 海水を使った熱交換器を復旧させる案を断念 福島第1原発
東電は、1〜3号機で海水を使った熱交換器を復旧させ、原子炉を冷却する案を断念することを明らかにした。海水を循環させると放射性物質で汚染された水を海に流出させる恐れがあると判断した。代わって空冷による冷却方法を検討している。

▲top
 2011年5月2日(月)   17時00分 1号機に換気装置設置へ 福島第1原発
 福島第1原発事故で東京電力は2日、1号機の原子炉建屋内に換気装置を設置する作業を始めた。高濃度の放射性物質で満ちた建屋内の空気を浄化して、炉心冷却に向けた作業環境を改善する目的。5日にも、換気装置を稼働させたいという。

▲top
 2011年5月2日(月)   11時30分 放射線量、埼玉で再び平常値超え 各地で上昇目立つ
 東北、関東各都県で4月30日午後5時から5月1日午前9時に観測された最大放射線量は、4月29〜30日に比べ、上昇したところが目立った。文部科学省によると、埼玉が毎時0・057マイクロシーベルトから0・069マイクロシーベルトに上がり、一時は下回っていた震災前の最大平常値を再び上回った。栃木は0・067マイクロシーベルトに、群馬は0・039マイクロシーベルトにそれぞれやや上昇した。
 福島第1原発の北西約30キロの福島県浪江町では5月1日午前10時20分に17・8マイクロシーベルトを観測した。

▲top
 2011年5月2日(月)   11時00分 福島原発「ベント」周知せず着手 作業員、被ばくの危険に
東京電力福島第1原発事故の際、1号機の原子炉格納容器の弁を開けて放射性物質を含む蒸気を排出した緊急措置「ベント」が、敷地内で働く一部の作業員に知らされないまま始まり進められていたことが1日分かった。現場にいた東電社員が共同通信に証言した。 ベントは格納容器の内圧を低下させて破損を防ぐことなどが目的だが、周辺の放射線量を一時的に急上昇させることが確実で、作業員らは最も重要な情報を与えられないまま、大量被ばくの危険にさらされていた。
▲top
 2011年5月2日(月)   11時00分 郡山市の下水処理場で高濃度セシウム
福島県は1日、同県郡山市の下水処理場「県中浄化センター」で、汚泥と汚泥を焼却処理した溶融スラグから高濃度の放射性セシウムを検出したと発表した。県は、降雨により地表の放射性物質が混入したとみている。
 県によると、汚泥からセシウムを1キログラム当たり2万6400ベクレル、溶融スラグから同じく33万4千ベクレルを検出した。原発事故前の溶融スラグは同246ベクレルだった。
 県は1日からセメント会社への搬出を停止したが、事故以降に500トンが運び出された。溶融スラグも道路の砂利などとして利用しているが、同センターは事故以来出荷していなかった。
▲top
 2011年5月2日(月)   11時00分 ノーベル賞受賞の米医師団 「学校放射線基準は安全でない」
政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。
声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。
▲top
 2011年5月1日(日)   20時30分 福島第一原発2号機、昨年6月にも電源喪失
福島第一原発2号機で昨年6月、電源が喪失して原子炉の水位が30分にわたり2m低下する事故が起きていたことが、1日の参院予算委員会で明らかに。参考人として出席した東電の清水社長が質問に答えた。菅首相もその後の対策の不備を陳謝。事故は作業員が電源装置に誤って触れて所内電源の供給が停止。原子炉は自動停止したが、外部電源への切り替えに失敗、冷却水が送れなくなったため、水位が2m低下。すぐに非常用ディーゼル発電機が起動したが、作業員が冷却装置を手動操作し、水位が回復するまで約30分かかった。燃料が露出する水位まで3mほどの余裕があったが、あと40cm低下すれば、緊急炉心冷却装置が作動する間一髪の状況だった。
▲top
 2011年5月1日(日)   19時40分 1号機 水位把握が冷却の課題
1号機では、格納容器を水で満たす冷却に向けて注水量を試験的に増やした結果、原子炉の温度や格納容器の圧力が低下することが確認されたものの水位を把握できないという課題が浮上。水位の把握は不可欠で、東電は水位計の設置など新たな対策の検討を迫られる。
▲top
 2011年5月1日(日)   19時40分 下水汚泥に高濃度放射性物質
福島県郡山市にある下水処理施設の汚泥から、比較的高い濃度の放射性物質が福島県の調査で検出。処理された汚泥は県外に運ばれてセメントの材料として再利用されていたということで、福島県では追跡調査を行っている。県内の同様の施設でも汚泥などの調査を行うほか、作業員の健康に影響がないか調べるとともに、作業員の安全確保や、放射性物質を含んだ汚泥の処理などについて、早急に方針を示すよう国に求めている。
▲top
 2011年5月1日(日)   13時30分 女性の被ばく限度超過2人に
東電は1日、福島第一原発で3月まで働いていた女性社員19人のうち、40代の女性が国の限度の3カ月で5mSvを超える被ばくをしていたことが新たに判明、超過したのは計2人になったと発表。この女性の被ばく線量は7.49mSv。3月15日まで免震重要棟の1階医務室で気分が悪くなった作業員の介護、6.71ミリシーベルト分は内部被ばく。看護師ではない。東電は会見で「反省している。今後は事故時に女性をすぐ避難させる対応を取りたい」と、他の原発にも教訓を生かしてもらう考えを示した。
▲top
 2011年5月1日(日)   04時40分 原発交代要員 経験者ら派遣検討
福島第一原発で作業が長期化。作業員の被ばく量を抑え安全確保には、より多くの交代要員が必要。東電は、福島第一原発で勤務経験がある人を中心に、約3000人いる専門の研修を受けた社員や退職者も対象に、現地への派遣の検討を開始。現在協力企業の作業員を含めて1000人以上が交代しながら復旧作業に当たっている。すでに200mSvを超える被ばくをした作業員が2人いるほか、100mSvを超えた作業員も30人近くに。工程表の実現には、人員の確保とともに、作業員の健康を守るための環境の整備もこれまで以上に重要になると。
▲top
CGI-design